DioDocs for Excel

シナリオマネージャー

シナリオマネージャーは、異なる入力値の組み合わせによる結果を比較・分析するための機能です。Excelなどの表計算ソフトには、セルの値を変更したときにワークシートの数式の結果にどのように影響するかを調べるWhat-if分析ツールが用意されています。その手法の一つであるシナリオマネージャーが今回のバージョンで追加されます。IWorksheetインターフェイスのScenariosプロパティを使用して、さまざまなシナリオを作成、変更、表示、削除することができます。

シナリオマネージャー

セルの自動マージ

隣接するセルで同じ値を持つセルを自動的に結合できるようになります。IWorksheetインターフェイスにAutoMergeメソッドが追加されます。このメソッドのパラメータで行方向や列方向など結合方法を指定します。保存する際にXlsxSaveOptionsやPdfSaveOptionsなどのオプションクラスでIncludeAutoMergedCellsプロパティをtrueに設定することで結合状態を反映させることができます。

セルの自動マージ

テーブルをデータソースとしてピボットテーブルを作成

テーブルをデータソースとしてピボットテーブルに直接バインドできるようになります。これにより、動的または拡張可能なデータセットを扱う際にピボットテーブルのデータ範囲を手動で更新する必要がなくなります。さらに、データがテーブル形式で整理されているため、各列に定義されたヘッダーを使用してピボットテーブルのフィールドを自動的に構成できます。

テーブルをデータソースとしてピボットテーブルを作成

さまざまなデータソースからデータを直接インポート

従来のバージョンでは、データソースを取得した際に、変数や配列に一度格納した上でセルにデータをインポートする必要がありました。V8Jでは、IRangeインターフェースのImportDataメソッドを使用して、コレクション、配列、カスタムオブジェクト、データテーブルなどのデータソースからセルにデータを直接インポートできるようになります。

さまざまなデータソースからデータをインポート

文字列形式によるカラー設定

従来のバージョンでは、System.Drawing.Colorプロパティを使用して、名前付きの色やRGB形式でのカラー設定を行う必要がありました。V8Jでは、ColorUtilities.StringToColorメソッドを使用して、名前付き色(例:"red")やRGB形式(例:"rgb(255,0,0)")、HEX形式(例:"#FF0000")のような文字列形式で色を設定できるようになります。デザインツールやカラー選定ツールで設定した色、RGBおよびHEXコードをそのまま使用したい場合に便利な機能です。

文字列形式によるカラー設定

ページ番号の計算演算子のサポート

ワークシートのヘッダー/フッターのページ番号とページ数の合計の出力に「+」と「-」演算子を使用できるようになります。それぞれ別のワークブック(見出しと内容など)を単一のレポートとして出力するといったページ番号の調整が必要な場合に便利な機能です。ページ番号と合計ページ番号の計算式には以下がサポートされています。

  • &P+number:ページ番号に指定した番号を加算して出力する
  • &P-number:ページ番号から指定した番号を引いたものを出力する
  • &N+number:合計ページ数に指定ページ数を加えた数を出力する
  • &N-number:合計ページ数から指定したページ数を引いた数を出力する

ページ番号の計算演算子のサポート

ピボットテーブルを管理するための新しいAPI

Visual Studio Tools for Office(VSTO)のHasAutoFormat、ShowPivotTableFieldList、および RefreshOnFileOpenプロパティに対応します。

  • HasAutoFormat:ピボットテーブルの更新時に列幅を自動調整する
  • ShowPivotTableFieldList:ワークブックを開く際にピボットテーブルのフィールドリストを表示する
  • RefreshOnFileOpen:ワークブックを開く際にピボットテーブルを更新する

ピボットテーブルを管理するための新しいAPI

タイムラインスライサーの入出力をサポート

従来のバージョンでは、タイムラインスライサーを含むExcelファイルを読み込んで保存した際にタイムラインスライサーが出力されませんでした。V8Jでは、タイムラインスライサーをExcelおよびPDFファイルに出力できるようになります。

タイムラインスライサーのサポート

イメージスパークラインの出力

SpreadJSで実装されているイメージスパークラインがDioDocsでも使用できるようになります。この機能は、元の画像と異なるサイズで表示できるように、ExcelのIMAGE関数と比較してより多くのパラメータを設定できます。さらに、画像のソースを定義するパラメータとしてbase64文字列を設定できます。

イメージスパークラインの出力

SpreadJSとの互換性強化

SpreadJSとDioDocsの間でワークブックを連携する際の互換性強化として、V8Jでは以下の機能が追加されます。

  • セルデコレーションAPIをサポート
    .ssjsonファイルや .sjsファイルにエクスポートする際にSpreadJSと同様のセルデコレーション結果を表示するために、IRangeインターフェイスにDecorationプロパティが追加されます。
  • バインドしたデータを含める/除外するためのオプション
    SjsSaveOptions、XlsxSaveOptions、SerializationOptionsに追加されるIncludeBindingSourceプロパティを使用して、エクスポートする際にバインドされたデータを含めるかどうかを設定できるようになります。

DioDocs for PDF

画像に出力する際に注釈またはフォームフィールドを含める/除外する

PDFドキュメントを画像として出力する際に、特定の注釈タイプや特定のフォームフィールド項目のみを描画する/しないといった設定が可能になります。SaveAsImageOptionsクラスのDrawAnnotationFilterプロパティを使用して、対象の注釈やフォームフィールドを設定できます。

画像に出力する際に注釈またはフォームフィールドを含める/除外する

墨消し時に元の画像を保持

PDFドキュメントで墨消しされた画像と元の画像の両方を保持するか、墨消しされた画像のみを保持するかを選択できるようになります。RedactOptionsクラスのCopyImagesOnRedactプロパティを使用して、墨消しを適用する前に元の画像を保持するかどうかを設定できます。

墨消し時に元の画像を保持

PDFドキュメントの最適化

PDFドキュメントを保存する際にオブジェクトストリームを適用することで、ファイルサイズの縮小、読み込み時間の短縮、圧縮効率の向上、ドキュメントの処理が迅速かつ効率的になります。SavePdfOptionsクラスのUseObjectStreamsプロパティでオブジェクトストリームを使用するかどうかを設定し、PdfStreamHandlingプロパティでPDFドキュメント内の既存のPDFストリームを処理する方法を設定できます。

フォント形式の最適化

PDFドキュメント内のフォント形式を最適化できるようになります。GcPdfDocumentクラスとFontHandlerクラスのPdfFontFormatプロパティを使用して、PDFドキュメント内のフォントエンコーディング形式を設定できます。

DioDocs for PDF(PDFビューワ)

PDFドキュメント内のテキストを置換

従来のバージョンでは、ツールバーの[検索バーを表示]から、PDFドキュメント内のテキスト検索をすることが可能でした。V8Jでは、テキスト検索だけではなくテキストの置換ができるようになります。

PDFドキュメント内のテキストを置換

コメントのタイムスタンプ

PDFドキュメントに注釈を追加および変更した際の日時が表示されるようになります。従来のバージョンでは、注釈を追加および変更が行われた際にタイムスタンプは表示されませんでした。V8Jでは、注釈を追加および変更が行われた際にタイムスタンプが追加され、日時の確認が可能となります。また、メニューの注釈エディタやコメントパネルからもタイムスタンプが確認できます。

コメントのタイムスタンプ

近接検索機能の強化

NEARとONEARという2つの新しい演算子の導入により、近接検索機能が強化されます。従来の近接検索ではAROUND演算子が使用可能でしたが、V8Jでは NEARとONEAR演算子が追加されます。NEAR演算子は、用語の順序を無視して指定された検索用語が近い範囲内にある結果と一致します。ONEAR演算子はNEARと同様に機能しますが、指定された用語の順序を検索に含めます。

近接検索機能の強化