AIアシスト機能の開発工数を最大70%削減!園務効率化システムのAI文章作成機能を支えるInputManJS
メシウス株式会社

幼稚園や認定こども園では、園児の情報管理や保育料の計算、各種文書の作成など、多くの事務作業が発生する。先生方のこうした業務負担を軽減するため、メシウスのEducation & Welfare Solutions事業では、園務効率化システム「LeySerKids(レーザーキッズ)」を提供している。 LeySerKidsでは、AIを活用した文章作成支援機能を実現。その基盤として採用されたのが、入力用JavaScriptコントロールセット「InputManJS(インプットマンJS)」である。 今回は、LeySerKidsの企画開発を担当する櫻井、柳、開発協力会社の範さんに加え、InputManJSの企画開発を担当する孫に、AI機能開発の背景やInputManJS採用の経緯、開発時の課題や工夫などについて話を伺った。
- メシウスでは在宅勤務を採用しているため、本取材はオンライン形式で実施しました
導入した製品
導入前の状況
- 園によっては年間約1万通のお知らせを配信。開園日換算で1日40~50通程度作成するケースもあり、お知らせ作成が現場の大きな負担となっていた
- 従来利用していたエディタはAI機能との連携や将来的な機能拡張に課題があった
- 生成AIの活用が広がり、「文章作成支援に活用できるのではないか」という考えがチーム内で生まれていた
導入による効果
- リッチテキストエディタ、AIによる文章作成支援機能(AI文章作成アシスタントコンポーネント)の活用により、「園のお知らせ」機能では約50%、「Web申込」機能では約70%の開発工数削減を実現できた
- エディタやAI連携の基盤をInputManJSが担うことで、LeySerKids独自の機能開発に注力できた
- アンドゥ・リドゥやツールバーのカスタマイズ、エディタの表示領域の拡大などにより、エディタの使い勝手が向上し、ユーザーからの問い合わせや要望が減少した
年間約1万通ものお知らせを配信。作成業務の負荷をどう減らすか
― はじめに、「LeySerKids」の概要について教えてください。
櫻井
LeySerKidsは、園の先生の業務管理と保護者とのコミュニケーションを一体化し、先生の事務負担軽減と保護者サービス向上を実現する、幼稚園・認定こども園向けの園務効率化システムです。 園のパソコンで運用いただく「LeySerKids PC」、先生がスマートフォンやタブレットでいつでもどこでも使える「先生用アプリ」、保護者が園とつながる「保護者用アプリ」の3つのシステムで構成されています。 園児の情報管理や日々の出欠管理、保育料の計算、指導要録の作成といった業務効率化機能に加えて、園と保護者間のコミュニケーション機能も多数搭載しています。

Education & Welfare Solutions事業部
LeySer企画開発部 製品企画チーム

― LeySerKidsの「AIアシスト機能」にInputManJSを採用いただいたと伺っています。まず、AIアシスト機能を開発することになった背景について教えてください。
櫻井
LeySerKidsには、園から保護者へ連絡を配信する「園のお知らせ」機能があります。園によって差はありますが、多いところでは年間で1万通ほどのお知らせを配信しており、開園日で換算すると1日あたり40~50通ほど作成していることになります。
もちろん、テンプレートやコピー機能は提供していますが、それだけでは対応しきれないケースも多く、お知らせの内容を考えたり、文章を整えたりする作業にはどうしても時間がかかるため、先生方のその負担を少しでも減らしたいと考えていました。
ちょうどその頃、生成AIの活用が広がり始めていたこともあり、試験的に「連絡帳」機能へ文章作成を支援する独自のAI機能を実装してみたんです。すると想像以上に多くのユーザーにAI機能を利用していただけました。
AI機能のニーズがあることが分かったので、園のお知らせ機能で本格的にAIアシスト機能の開発を進めることになりました。
― AIアシスト機能には、具体的にどのような機能が搭載されているのでしょうか。
櫻井
まず前提として、園のお知らせ機能ではInputManJSの「リッチテキストエディタ」を利用しており、そこにAI機能を載せるため「AI文章作成アシスタント」を活用しています。
誤字脱字や表現をチェックする「文章校正」はもちろん、単語や箇条書きで指示するとお知らせ文を自動生成する「文章生成」、文章の印象や見やすさを変える「スタイル提案」などの機能を搭載しています。
「何をどう書けばいいのだろう」「この文面で伝わるだろうか」 といった、文章作成時の悩みや不安を軽減でき、ワンクリックで見やすいレイアウトに整えられます。作成画面上でそのままAI機能を利用できるので、別のサイトやツールを行き来する手間もありません。
例えばスタイル提案機能では、「ほのぼの・可愛い」「元気・ポップ」「季節・イベント」などのテーマを用意しており、任意のテーマを選択するとAIが文章の内容や時期に合わせたデザインを提案してくれます。夏の案内であればひまわりの絵文字を、節分の案内であれば鬼の絵文字を加えたりと、文章をより親しみやすく見やすい表現に整えることができます。
ちなみにこの機能はLeySerKids独自で実装していますが、InputManJSはこうした独自機能を柔軟に実装できる拡張性があるのがいいですね。
また、7言語に対応した翻訳機能もありますので、日本語が不慣れな保護者にもきちんと情報をお伝えすることができます。




― 2026年7月にリリースした「InputManJS V6.1J」では、AI文章作成アシスタントに文章のデザインテーマを適用する機能を追加しました。「シンプル」「ビジネス」「技術」「アート」の4種のテーマが利用できるほか、LeySerKidsのように独自のカスタムテーマを追加することもできます。機会がありましたらぜひお試しください。
AI機能の実現に向けてエディタを刷新。InputManJSが選ばれた理由
― InputManJSを採用する前は、別のエディタを利用していたそうですね。
柳
はい、元々は別のエディタを利用していました。
AI機能を本格的に実装しようと考えたときに、従来のエディタでは難しい部分がありまして、機能拡張やAI連携を考えると、もっと柔軟なエディタが必要だったんです。

Education & Welfare Solutions事業部
LeySer企画開発部 製品企画チーム
― InputManJSのリッチテキストエディタを採用することになった経緯について教えてください。
柳
実は、AIアシスト機能の開発が始まる前から、LeySerKidsとInputManJSの海外の開発チーム※が連携して、AIに関する技術検証や研究を進めていたんです。当時、LeySerKidsチームには「園のお知らせ機能にAIを組み込みたい」「そのタイミングでエディタも刷新したい」という構想があり、一方でInputManJSチームにも「製品にAI機能を搭載したい」という構想がありました。互いにそうした背景があり、両チームの方向性は非常に近かったんです。そのため、単にコンポーネントを採用する・されるという関係ではなく、互いに知見を持ち寄りながらAI機能を一緒に作り上げていくような協力体制が生まれました。その後、InputManJSのリッチテキストエディタで利用できる「AI文章作成アシスタント」がリリースされたので、AIアシスト機能の実現に向けて評価を進めました。
もちろん、InputManJSありきで進めていたわけではなく、実際には複数のライブラリを調査・比較しました。そのうえで、機能面やAIとの連携性を総合的に評価した結果、InputManJSが最も要件に合っていたので、採用することになりました。
リッチテキストエディタの細かな機能も高く評価していて、例えばアンドゥ・リドゥ機能ですね。AIを使うと、「生成してみる」「戻す」「また生成してみる」という操作を繰り返すことが多くなりますので、AI活用時においてこの機能はとても重宝しています。また、編集や書式設定などのツールバーの表示設定も自由にカスタマイズできるので、先生方がよく利用する項目を使いやすい位置に配置したり、使わない項目は非表示にしたりと、利用シーンに合わせて最適なUIを実現できました。
- メシウスでは、海外の開発・研究チームと連携して製品開発を行っています
開発工数を最大70%削減。InputManJS導入で得られた効果とコンポーネント選定のポイント
― InputManJS導入による開発面での効果はいかがですか?
範さん
園のお知らせ機能では約50%の開発工数を削減できたと感じています。
また、2026年7月に「Web申込」機能にもAIアシスト機能を追加したのですが、こちらは約70%の工数削減につながりました。AIアシスト機能の実装のほか、UI設計の面でも、InputManJSが開発効率の向上に大きく貢献してくれています。

LeySer西安研究チーム
プロジェクトマネージャー

柳
これだけ多機能なエディタを自前で開発するのは難しかったと思います。先ほど話に出ていたアンドゥ・リドゥ機能もそうですし、エディタの表示領域を拡大したり、フルスクリーン表示に切り替える機能なども、とても便利だと感じています。
先生方はWordなどで作成したお知らせ原稿をLeySerKidsへコピー&ペーストして利用するケースが多く、従来のエディタではレイアウトが崩れたり、フォントが意図しないものに置き換わったりすることがありましたが、InputManJSにはWordやExcel、Webサイトからコピーした内容を元の書式やレイアウトを維持したまま貼り付けられるプラグインがあるので、そうした課題も解消できました。目立つ機能ではないかもしれませんが、このような“かゆいところに手が届く”機能は本当に助かっています。
― InputManJSを導入する際に、開発者目線で確認しておくと良いポイントはありますか?
範さん
大きく3つありまして、1つ目はカスタマイズ性です。InputManJSは用途に合わせて柔軟にカスタマイズできるのが大きな特長ですが、その分、自分たちが実現したい要件に対して何をどこまでカスタマイズできるのかを、事前に確認しておくとよいと思います。
2つ目は、既存システムとの互換性です。特に古いツールや既存のエディタから移行する場合は、データやUIの互換性を事前に確認しておくことをおすすめします。今回のエディタの入れ替えでも、従来のエディタで作成した古いデータを新しいエディタ(リッチテキストエディタ)で流用した場合、行間やフォントが変わってしまうケースがありました。結果的にはInputManJS側で細かく制御できたので解決できたのですが、ここは注意しておきたい点かと思います。
最後の3つ目は、AI機能を活用する際のモデル選定とセキュリティです。どのAIサービスを利用するかによって要件が変わるため、事前に検討しておく必要があります。例えば、フロントエンドからAIへ送信する情報や、AIから返される情報に対して、どこまで許可するのかといった細かな制御が求められ、特に個人情報を扱う場合は重要で、特定の情報は非表示にしたり、AIに送信しないように制御したりする必要があります。AI機能を導入する際は、セキュリティ要件を整理したうえで設計を進めることが大切です。
― AI活用におけるセキュリティは必ずチェックしておくべきポイントですね。LeySerKidsではどのAIサービスを利用しているのでしょうか?
櫻井
OpenAIのChatGPTを利用しています。ただし、特定のAIサービスに依存しすぎないよう、常にほかのモデルも含めて情報収集や評価を行っています。
生成AIは日々進化しているので、料金体系やサービス仕様が急に変更される可能性もあります。そのため、コスト面や継続利用のリスクを考慮しながら、「今のタイミングではどのモデルが最適か」を継続的に検討しています。
現在はChatGPTを利用していますが、状況によってはGeminiなど別のモデルへ切り替えられるような構成も視野に入れていて、万が一、利用しているAIサービスに大きな変更があった場合でも柔軟に対応できるよう準備している形です。
― AIアシスト機能について、ユーザーからの反応はいかがですか?
櫻井
多くのお客様から好意的な反応をいただいています。先日、お客様に向けてAIアシスト機能に関するアンケートを行ったのですが、特に文章校正機能が多く使われていることが分かりました。AIアシスト機能の満足度についても、80%以上の方に「満足」とご回答いただいています。
柳
InputManJS導入後はエディタに関する問い合わせや要望も減りました。
従来のエディタでは、「こういう機能が欲しい」「ここが使いづらい」といった声がありましたが、InputManJSへ移行してからはそういった声が少なくなっています。より安定した使いやすいエディタを提供できるようになったと感じています。
AI活用への想いが一致し、製品の進化につながる
― 先ほど、AIの活用についてLeySerKidsとInputManJSの両チームの方向性が一致していたという話がありましたが、InputManJSチームではいつ頃からAI機能の追加を検討されていたのでしょうか。
孫
AI機能については、LeySerKidsチームから要望をいただく以前から、企画開発部内で検討を進めていました。2024年頃から本格的に調査や技術検証を始めていたのですが、当時はまだ「どのコントロールにAI機能を搭載するか」までは決まっていなかったんです。
そうした中でLeySerKidsチームからAI活用の要望をいただきました。文章作成とAIの親和性は高いと考えていましたので、リッチテキストエディタにAI機能を搭載する方向で検討が進みました。
振り返ってみると、この要望がInputManJSのAI機能開発における大きな一歩だったと思います。

Developer Solutions事業部
企画開発部 JS UIチーム
― InputManJSとして初めてAI機能を開発するにあたり、どのような課題がありましたか?また、実装面で工夫した点についても教えてください。
孫
先ほど範さんもお話しされていましたが、まず課題となったのは、セキュリティを考慮しながらAIサービスとの連携をどう設計するか?という点です。APIの設計やデータの受け渡し方法については、検討を重ねた結果、InputManJSから直接AIサービスへアクセスするのではなく、アプリケーションサーバーを経由してAPIを連携する構成を採用しました。
特定のAIモデルだけを前提にした機能にはしたくないと考えていたので、ChatGPTやGeminiなど複数のモデルを試しながら、出力内容の違いや挙動の差、エラー発生時の動作などを細かく検証しました。InputManJSを利用されるユーザーがどのAIサービスを選択しても安定した機能を提供できるよう、実装面ではさまざまな工夫を行っています。
AIの進化は非常に速いため、現在も新しいモデルやサービスの動向を継続的にキャッチアップしながら、より安心して利用できる機能提供を目指して取り組んでいます。
もう1つ工夫したのが、「AI文章作成アシスタント」のUIです。
リリース当初は、AIが生成した結果のみを表示するシンプルなダイアログでした。ただ、実際の利用シーンを考えると、生成された文章をそのまま使うだけでなく、生成内容を確認しながら修正したり、プロンプトを調整したりするケースも多いんですよね。そこで、従来の表示形式に加えて、プロンプトと生成結果を左右や上下に並べて表示できるレイアウトを追加しました。プロンプトと生成内容を見比べながら操作できるため、以前よりも使いやすいUIになったと思います。
「リリースして終わり」ではなく、「どうすればもっと便利に使っていただけるか」を常に意識しながら、継続的に改善を続けています。
― LeySerKidsチームからの要望がInputManJSのAI機能開発を後押ししたとのことですが、普段からユーザーの声を製品開発に取り入れているのでしょうか。
孫
私たちは普段から、技術サポート経由で寄せられるご意見も含め、お客様からいただいた要望をひとつひとつ確認しています。ただ、全ての要望をそのまま機能化するわけではなく、まずは実現性を考慮したうえで「その機能がどれだけ多くのユーザーの課題解決につながるのか」という観点から、汎用性や利用シーンを含めて総合的に判断しています。
冒頭で少し触れた、AI文章作成アシスタントの文章へデザインテーマを適用する機能も、そうした考え方から生まれた機能の1つです。
この機能はLeySerKids独自の「スタイル提案」機能を参考に開発したもので、業種を問わず幅広い用途で活用できると考え、InputManJSにも目的に応じたテーマを適用できる機能として実装しました。このように、お客様から生まれたアイデアが製品機能へと発展することもあります。
今回のAI開発の取り組みも良い事例で、LeySerKidsチームからの要望をきっかけにAI機能の開発が本格化し、結果としてLeySerKidsとInputManJSの双方にAI機能を実装できました。InputManJSを利用してシステムを開発するLeySerKidsの開発チーム、そのシステムを使うエンドユーザーにも価値を提供できたと感じています。
今後もこうした現場やユーザーの声を取り入れながら、より多くの方に役立つ製品づくりを進めていきたいですね。
現場のニーズに応えながら、AI活用をさらに広げる
― LeySerKidsおよびAIアシスト機能について、今後の機能強化がありましたら教えてください。
櫻井
先生方の業務負担を減らし、より保育や教育に集中できる環境づくりを支援するため、LeySerKidsの文章作成に関わるさまざまな機能へAIアシスト機能を展開していきたいと考えています。その第1弾として、2026年7月にはイベントページなどを作成する「Web申込」にAIアシスト機能を実装しました。また、2026年秋には、園児が小学校へ進学する際に園から提出する「指導要録」への搭載も予定しています。
AIアシスト機能をそのまま横展開するわけではなく、「園のお知らせ」は保護者向け、「指導要録」は教育記録向けというように、機能ごとに求められる文章や表現が少しずつ異なります。そのため、それぞれの用途に合わせたチューニングが必要になるのですが、そうした調整に開発リソースを集中できるのは、AI連携やエディタの基盤としてInputManJSがあるからこそだと感じています。
― 最後に、InputManJSに対して今後の期待や要望がありましたら教えてください。
柳
AI機能については、もっとシームレスに利用できるようになると良いなと思っています。現在はポップアップを開いてプロンプトを入力し、文章を生成して反映するという流れですが、例えば画面の左側にエディタ、右側にAIチャットを配置して、会話をしながら文章を作成できるようなUIがあると便利ですね。
AIを使った文章作成がより日常的になっていく中で、エディタとAIがもっと自然に連携できるようになることを期待しています。
櫻井
最近は生成AIの普及によって、音声で指示を出したり文章を作成したりする機会も増えてきました。要望ではないのですが、InputManJSは入力系のライブラリなので、音声入力のコントロールがあると面白いのではないかと思っています。
― ありがとうございます。いただいたご意見を参考にしながら、よりAIを活用できる製品づくりを進めてまいります。今回のお話を通じて、現場の課題やユーザーの声が製品の進化につながることを改めて実感しました。InputManJSがこれからも皆さまの開発に貢献できるよう機能強化を続けていきます。本日はありがとうございました。
取材協力:2026年8月
メシウス株式会社

| 本社所在地 | 〒981-3205 宮城県仙台市泉区紫山3-1-4 |
|---|---|
| 設立 | 1980年5月 |
| 主な事業内容 |
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| URL | https://www.mescius.com/ |