画面・Excel・PDFの3重開発から解放~開発工数とサーバー負荷の大幅削減を実現したSpreadJSとWijmoの効果とは?
株式会社KSK
株式会社KSKは、システムコア事業、ITソリューション事業、ネットワークサービス事業の3つの事業を軸に、“現場力”を強みとするSI企業である。今回は、ITソリューション事業の中から、主に不動産関連システムの開発を行っている住宅ソリューション事業部の皆さまに、SpreadJS(スプレッドJS)とWijmo(ウィジモ)を採用し、開発工数とサーバー負荷の大幅削減を実現した不動産関連企業向けのWebシステムについてお話を伺った。
開発概要
開発案件 | 使用製品 | 主な利用機能 |
---|---|---|
不動産関連企業向けWebシステム | SpreadJS | 条件付き書式、Excel出力、PDF出力 ほか |
Wijmo | FlexGrid、Input など、ほか多数 |
パッケージ製品「住宅マネージャー」でWijmoを利用。それがきっかけとなり受託開発に発展
―はじめに、今回ご紹介いただく不動産関連企業で利用されているシステムについて、開発の経緯を教えてください。
上村さま
我々が所属する住宅ソリューション事業部は、主に不動産系のシステムの開発を行っています。自社パッケージ「住宅マネージャー」を提供しているのですが、それを不動産関連企業の担当の方が知ってくれていて、今回のシステムについて当社に開発のご依頼をいただいた、という経緯です。
―「住宅マネージャー」では、長くWijmoをご利用いただいているようで、ありがとうございます。
上村さま
はい、「住宅マネージャー」の開発部門では昔から使っています。ですので、Wijmoの便利さは知っていました。
受託開発でWijmoのようなサードパーティ製品を導入するにはお客さまからの理解が必要ですが、今回のケースでは「早く開発完了したい」という要望があり、短納期での開発がポイントでした。メシウス製品を使えばお客さまが求めるシステムを、時間をかけず開発できそうだ、ということが分かっていたので、WijmoとSpreadJSの導入について承諾いただきました。
―今回開発されたシステムの概要とポイントを教えてください。
丹羽さま
今回開発したのは、不動産関連の業務で物件情報を管理するシステムです。不動産として取り扱う1つ1つの物件には非常にたくさんの情報が紐づいています。今回の開発では、こういった情報を一括で表示しながらメンテナンスができるように、Wijmoのコントロールを全面的に利用しました。
丹羽さま
また、そういった数々の情報の中には、物件に対するお問い合わせ件数といったものもあります。このようなデータの表示では、物件に対するお客様の関心の高さが視覚的にわかるよう、SpreadJSを利用して、数値をグラフ化して表示するようにしました。
SpreadJSとWijmoの使い分けとは?課題は「条件付き書式」、「3重開発」、「サーバー負荷」…。
―お客さまから期待されていたことはありますか?
松川さま
一番の要望となっていたのは『操作性』の部分です。グリッドや入力など、多くの部分をWijmoで作り、操作性の向上に繋げることができました。Wijmoでは使っていないものが無いんじゃないかというくらい、たくさんのコントロールを利用しています。
―Wijmoを使いこなしていただいているのですね。機能によってSpreadJSもご利用いただいているとのことですが、WijmoではなくSpreadJSを選んだ理由を教えてください。
松川さま
正直なところを申し上げると、WijmoでできるならWijmoを使いたかったのですが(笑)、このシステムではよりExcelライクなものが求められていました。利用者が手を動かす時に、操作性や見た目がExcelと同じだととても便利なんですよね。
機能面では、グラフとデータの文字列を同じセル内に表示したかったんですが、Wijmoだと実現が難しく、それを解決できるのがSpreadJSの『条件付き書式』でした。
また、画面上だけでなく、ExcelとPDFでもレポートを出力する必要がありました。これまでの開発手法だとサーバーサイドでExcel/PDF帳票を生成する、というパターンだったのですが、これだとサーバーへの負荷が大きく、いかに負荷を少なくするか、というのも課題でした。SpreadJSのExcel/PDF出力機能を利用すれば負荷をクライアントサイドに持っていけることもポイントでしたね。
松川さま
アプリケーションによる帳票処理を考えた場合、帳票表示を行う画面と、実際に出力されたExcel帳票やPDF帳票の見た目は一致するのが望ましいです。しかし、画面、Excel出力、PDF出力という3つの処理を別々に開発すると必ずどこかに差異が発生してきます。この点で、SpreadJSにはExcel出力とPDF出力機能が搭載されていたので非常に楽でした。開発では画面部分のみを作り、あとはコンポーネントの機能を利用して、Excel形式とPDF形式の帳票出力を実現しました。
開発工数が1/3に!?SpreadJSとWijmo導入の効果とは?
―SpreadJSとWijmoを実際に利用してみて、使い勝手の部分ではいかがでしたか?
松井さま
弊社には.NETのSPREADを利用したことのある経験者もいましたので、取っ掛かりやすさはあったと思います。SpreadJSもWijmoも、VBを知っている人なら開発しやすいだろうと感じました。
ソースコードが分かりやすいので、実際に開発した人間じゃなくても何をやっているのかピンとくると思います。そのため属人化しにくく、メンテナンス性も良いです。
また、両製品ともサンプルが豊富に用意されているので、そのサンプルをベースにモックアップを作ることができ、お客さまへの提案のスピードも従来に比べ早く対応できました。
―SpreadJSとWijmoを利用しなかったら、どのくらい開発工数が変わったと思いますか?
上村さま
それは非常に難しい質問ですね(笑)
先ほど申し上げたとおり、機能によっては画面とExcel帳票とPDF帳票の3つが必要でした。それぞれを1から開発する工数を考えると、今回は画面の開発のみで済んだわけですから、個人的な感覚では全体の1/3まで削減できたのではないかと感じています。
松川さま
SpreadJSやWijmoありきで開発しているため、それが無かったらそもそもこういう画面を採択しようとは思いません。そういう意味で比べられるものでは無いという前提はあるのですが、私の感覚でも10倍くらいは変わったと思いますね。
今後の展開
―今後の機能追加の予定はありますか?
上村さま
すでに保守フェーズに入っていますが細かな修正は常に行っています。
松川さま
機能追加にあたって今後はExcelライクな部分はSpreadJSで、入力や編集といった細かい機能についてはWijmoで、というイメージで使い分けしていくことを考えています。
―弊社へのご意見やご要望があれば教えてください。
上村さま
Wijmoのグリッドに関して、カスタムセルを利用するととても遅くなる場合があります。この点についてはパフォーマンスの向上をお願いしたいですね。
松川さま
同じくWijmoに関しての意見ですが、サンプルの数が多くて探しにくいです。機能が多くてサンプルが豊富なのは嬉しいのですが、Webサイトがやや煩雑な印象なので、整理してもらえるとありがたいです。
―貴重なご意見をありがとうございます。Wijmoのサンプルについては、2019年4月のバージョンアップよりデモとヘルプを全面リニューアルいたしましたので、ぜひご利用ください。本日はありがとうございました。
取材協力:2019年6月
- グレープシティ株式会社は、2023年11月1日よりメシウス株式会社に社名を変更しました
株式会社KSK
所在地 | 〒206-0804 東京都稲城市百村1625番地2 |
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設立 | 1974年5月23日 |
事業内容 | ・システムLSIを中心とする半導体設計、組込みソフト開発、サーバのハードウェア設計 ・システム開発におけるコンサル、オリジナルパッケージ・アプリ開発、インフラ構築、運用保守 ・ネットワークシステムの設計、運用・構築、サーバーの最適化・運用・構築 |
URL | https://www.ksk.co.jp/index.html |
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