クラシックASPで開発された社内システムが、企業の成長とともにJavaScriptライブラリ「Wijmo(ウィジモ)」を利用したASP.NET MVCシステムに成長。内製化ならではのメリットとは?
日本ビジネスシステムズ株式会社
社内システムで取り入れた技術や機能をお客様向けに展開
ー はじめに、JBSの社内システム開発はどのような体制で推進しているのか教えてください。
宮下さま
社内システムはもともと新人教育の一環で、新入社員がクラシックASPで開発し情報システム部が保守を担当していましたが、会社の成長とともに社内システムを整備することになり、2011年頃に小規模体制のチームが組まれました。チームがスタートした頃は『ASP.NET Web Forms』での開発でした。
「どうせ作るなら綺麗なものを、最新のアーキテクチャを利用して作ろう」というのがチームの方針でしたので、そうなると必要となるのがUIをリッチにするためのJavaScriptライブラリです。ASP.NET Web FormsだとjQueryが使いにくく、2012年頃には『ASP.NET MVC』とjQueryの組み合わせで開発することになりました。
クラシック、Web Forms、MVCと、『ASP』の変遷を辿っていますね。
ー 「UIをリッチにするためにJavaScriptライブラリが必要」というお話がありましたが、弊社JavaScriptライブラリ『Wijmo(ウィジモ)』について、2015年からご利用いただいていますね。採用のきっかけは何だったのでしょうか?
宮下さま
社内の要望として、「Excel風の画面が欲しい」というものがありました。初めは海外のオープンソースのJavaScriptライブラリを使っていたのですが、こちらの思った通りの動きをしなかったり、問い合わせ先がなかったり、新環境に対応しなかったりと、開発に手間取る場面に多く遭遇しました。そういった課題を解消するために「有償ライブラリを利用しても良いのではないか?」という話になったのがきっかけです。
千葉さま
宮下は“新しいモノ好き”なので、Wijmoがいち早くAngularに対応していたことも導入の大きな決め手でした。現在、システムの多くはAngularを利用して開発しています。
ー 宮下さまは“新しいモノ好き”なのですね!『最新技術に迅速に対応』がコンセプトのWijmoはぴったりな気がします。
宮下さま
はい、今はWijmoがVue.jsをサポートしていると聞いて、興味津々です。意図して最新のアーキテクチャを入れているので、チームの皆は対応が大変かもしれませんが、社内システムだからこそ新しい技術を試せるというメリットもあります。新しい技術が良いものであれば、お客さま向けにソリューションやサービスの開発をしている社内のデベロッパーにも共有します。社内システムをお客さまにお見せして、お客さま向けにカスタマイズしたものを納品したこともありました。そのために内製していると言っても過言ではありません。
JBS流Wijmoの使いこなしテクニックとは?
ー Wijmoのどのようなコントロールを利用されているのでしょうか?
千葉さま
ほとんどのシステムの一覧表示に、WijmoのFlexGridを使っています。FlexGridを基準に、データ検証、入力制御、カレンダー、列ピッカー等の機能を使用しています。
千葉さま
Wijmoの利用を始めてからメジャーバージョンアップにより新たに収録された、グリッドを複数行に表示できる機能(MultiRow)やツリービュー、入力時の補完機能(AutoComplete)も利用しています。
千葉さま
Excel出力も利用しています。Web画面と同じレイアウトでExcelファイルに保存ができるのも良いポイントですね。
ー とても綺麗な画面ですが、社内にデザイナーの方がいらっしゃるのでしょうか?
宮下さま
いえ、千葉にデザイナーを兼ねてもらっています。専属デザイナーがいないのは“情シスあるある”ではないでしょうか?
千葉さま
社内システムは比較的短期間で納品ということが多いので、デザイナーがいないのは仕方のない部分ではあります。その部分をカバーするために、Wijmoがサポートしているマテリアルデザインも利用しています。見た目や動きを綺麗に表現することができました。
Wijmoを導入したことでもたらされた効果
ー Wijmoを利用した場合と利用しなかった場合、開発工数はどのくらい変わりそうでしょうか?
宮下さま
Wijmoを利用しなかったら、そもそも今あるシステムと同じものは作れません。不足する機能が多くなり、ユーザーに負担を強いてしまうことになると思います。
千葉さま
ユーザーは必須要件として使い勝手の良さを求めているので、リッチなUIを短期間で作らなければいけないという状況が多くあります。そこを1から作るとなると時間が足りないですが、Wijmoがあればすぐに対応できます。
ー 改めて、Wijmoを導入したことによるメリットがあれば教えてください。
宮下さま
現在Wijmoを利用した社内システムは5~6個ありますが、一覧表示グリッドは共通してFlexGridを使用しているので、ユーザー的にも統一感があり操作のしやすさがあると思います。また、グリッドのフィルタやソートの機能は、スクラッチ開発では削っていた機能なのでとても喜ばれました。評判も良いですよ。
千葉さま
Wijmoはコントロールごとにサンプルがあるので助かっています。ユーザーから「こういう機能が欲しい」と要望があった時はまずサンプルを見せるんです。『その機能は難しいけど、これだったらできますよ』と直接動きを見せることができるので、ユーザーもイメージしやすく、認識のズレが生じることなく承諾してくれます。また、テクニカルサポートもよく利用していますが、サポートで課題が解決したことも多くありました。サポートも含めて、Wijmoを利用することで大幅な工数削減につながっています。
今後の展開
ー 弊社スタッフも感激するほどWijmoを使いこなしていただいていますが、今後の展開やメシウスに対する要望はありますか?
宮下さま
今はシステムをどんどんリプレイスしている最中です。現在、新しい見積システムや工数管理システムの要件定義中なのですが、帳票が課題になっています。帳票もJavaScriptで、クライアントサイドで処理できると嬉しいですね。ほかには、勤怠管理システムのモバイル対応をXamarinで進めています。こちらにはComponentOne Studioを採用しました。今後もサンプル・機能の充実や、迅速なサポート対応に期待しています。
ー ComponentOne Studio for Xamarinで開発されたシステムが完成されたら、ぜひお見せいただきたいですね。本日はありがとうございました。
取材協力:2018年2月
- グレープシティ株式会社は、2023年11月1日よりメシウス株式会社に社名を変更しました
日本ビジネスシステムズ株式会社
所在地 | 〒105-6316 東京都港区虎ノ門1-23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー16F |
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設立 | 1990年10月4日 |
事業内容 | ITコンサルテーション/システムインテグレーション/ITサービス/アプリケーション開発 |
URL | https://www.jbs.co.jp/ |
ご紹介した事例内容をPDF形式でご覧いただけます。
30周年記念フォーラム「Toolsの杜」では宮下様にご講演いただきました。