“業務システムの内製化”を支援する共通基盤にSpreadJSを採用~お客さまが求めるのは『どれだけExcelに近いか』
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマートは、短納期かつ低コストでWebシステムを構築できるシステム共通基盤『intra-mart Accel Platform(イントラマート アクセル プラットフォーム/通称:iAP)』を開発・販売しており、企業の業務改善に寄与している。
今回は、同製品のオプション機能である『IM-Spreadsheet(アイエム スプレッドシート)』の開発に採用された「SpreadJS(スプレッドJS)」について、大西さま、宮脇さまにお話を伺った。
開発概要
開発案件 | 使用製品 |
---|---|
IM-Spreadsheet | SpreadJS |
※ 開発環境で利用するアプリケーションにメシウス製品またはメシウス製品をカスタマイズしたライブラリを組み込んで、お客さまの製品やサービスとして開発する場合、特別契約ライセンスが必要となります。
キーワードは“ノンコーディング型”の“内製開発”
―はじめに、『intra-mart Accel Platform(イントラマート アクセル プラットフォーム/通称:iAP)』とはどんなシステムなのか教えてください。
大西さま
企業内のWebシステムを共通の基盤上で構築することを可能にする製品です。Webシステムによく使用されるAPIや部品などが一通り揃っているので、1からWebシステムを作るよりは安価に開発することができます。比較的メーカーさんでの採用が多いですが業種に偏りはなく、導入企業は6,000社を超えています。社内の基幹システムとして多く利用され、業務プロセスの可視化や、各部門間を横断するシステムの構築などに使われています。
―とても多くの企業に導入されているんですね。なぜここまでiAPが導入されているのか、お客さまから見えている傾向はありますか?
大西さま
当社のパートナーはSIerが多いので受託開発での案件も多くありますが、最近は“内製化”というキーワードが強く、プログラムを書く内製ではなく“ノンコーディング型”の内製に移行していると感じています。そういう意味で製品を利用する敷居はユーザーのほうに近付いており、製品の機能強化もデジタルトランスフォーメーション(DX)やユーザー側に視点が当たっていく傾向にあります。ユーザーの使い勝手、利便性、生産性をどう上げていくか、それをユーザーに提供するための仕組み自身が、内製開発という形でノンコーディング型に切り替わってきている形かと思います。
日本企業はExcelが大好き?SpreadJS採用の背景
―今回、ExcelライクなUIを提供するJavaScriptライブラリ「SpreadJS」を、iAPのオプション機能である『IM-Spreadsheet(アイエム スプレッドシート)』に採用いただきました。これにより、iAP上でスプレッドシートを組み込んだWebシステムを構築できるようになったとのことですが、Excelの機能をオプション品として提供しよう、と決めた理由を教えてください。
宮脇さま
日本企業では業務でExcelを利用しているケースが非常に多いため、Web上でExcelとほぼ同じような入力形式や操作感を実現したい、という要望をたくさんいただいていました。また、先ほどもお話したとおり当社のパートナーはSIerが多いので、パートナーからExcelに特化した部品が欲しいという声もありました。
大西さま
IM-Spreadsheetができる前は、Excelで管理する場面はExcelで管理しながらiAPと併用したり、ActiveXでExcelをまるまる表示したり、ということをやっていました。OSSのライブラリを一部組み込んだりもしたのですが、レスポンスが遅くて遅くて。そして操作感がExcelとは違うので、使いづらいとはよく言われていました。
―OSSというお話もありましたが、有償ライブラリであるSpreadJSを採用した理由は何ですか?
大西さま
正直なところOSSで良いものがあればそれで良かったのですが、この分野になるとOSSで充足できる機能が無いというのが一番の理由です。また、メシウスは昔からコンポーネントを提供しているので長年の実績があるのと、サポートもしっかりされているだろう、という期待を込めて、SpreadJSを採用しました。
宮脇さま
OSSや他の有償ライブラリとの比較もしましたが、ここまでExcelに類似しているライブラリはSpreadJS以外に無いと思っています。見た目や操作感を出来る限りExcelに近しいものにしていきたい、という思いがありました。
大西さま
「ExcelをWebでやりたい」というお客さまは、大量のデータを大きな表として画面に表示したい、という要望が多いので、レスポンス面も重要でした。SpreadJSはCanvasを利用して高速に描画されているため、とにかく速いので助かっています。パフォーマンスのデモをお客さまに直接見ていただいて、IM-Spreadsheetを導入いただいたケースもありましたよ。
社内外の反響は?『お客さまが慣れているのは“Excel”』
―2018年6月にIM-Spreadsheetをリリースし、反響はありましたか?
宮脇さま
当社のお客さま向けに「Enterprise Web Solution(通称:EWS)」というイベントを定期的に開催しているのですが、2018年10月のイベントでブース展示を行ったところ、一番多くお客さまに来ていただけたのはIM-Spreadsheetのブースでした。当日はIM-Spreadsheetを紹介するセッションも行ったのですが、事前登録で満席になってしまったため、増席するほど人気がありました。
大西さま
EWS自体はRPAやBPMやAIなどをテーマにしたイベントだったのですが、内製化で簡単に、WebでExcelができるというのが受けたのだと思います。1つのExcelファイルをみんなでいじるのが難しい、という課題がお客さまの根底にあり、ニーズが非常にある。実際に触るお客さまが一番慣れているインターフェースや操作感といえばExcelになるので、関心は非常に大きいと感じました。
宮脇さま
社内からの反応も良いです。特に営業担当から、IM-SpreadsheetはExcelと親和性が高いので「お客さま先に持っていきやすい」「誰に話しても分かりやすい」という言葉をもらっています。
≫≫ 【ニュースリリース】NTTデータ イントラマート Excel感覚のUIをWEB上で実現し業務の効率化を促進する「IM-Spreadsheet」をリリース
IM-Spreadsheetのユースケースには、どのようなシステムがあるのでしょうか?
大西さま
よくあるのは予実管理システムです。業務の計画を一挙に管理するものが多いですね。実際にあったお客さまのユースケースでは、各拠点のExcelファイルをメールに添付してデータを集め、誰かが1つにまとめる、という作業をしていたらしいのですが、それをWebで一元化して、各拠点のメンバーに直接入力させるようなシステムを作りました。
このように、これまでExcelで管理していたデータを集約していくというシステムが多いです。予算管理、売上管理、実績管理、備品管理、KPI管理、課題管理など、ワークフローに乗せていくというケースでシステム化されています。
今後の展開
―iAPやIM-Spreadsheetについて、今後予定しているバージョンアップなどはありますか?
大西さま
iAPはこれまでSI向けの製品でしたが、今後は“内製化”というキーワードで、“ノンコーディングで作らない開発”という部分に注力していく計画になっています。その中で、IM-SpreadsheetはExcelライクなUI部品として、配置するだけでお客さまがExcelライクな画面を作ることができ、そこから他のシステムと連携したり、表示したり、編集したりということを、より使いやすくなるように改良していきたいと思っています。
―iAPのクラウド版である「Accel-Mart(アクセル マート)」でもIM-Spreadsheetが使えるようになるそうですね。
宮脇さま
はい。近い将来、「Accel-Mart」の標準機能としてIM-Spreadsheetの搭載を検討しています。IM-Spreadsheet はiAPで大変好評な機能であるため、「Accel-Mart」の目玉機能となることに期待しています。
≫≫ BPM/ワークフローをクラウドで素早く簡単に構築 「Accel-Mart」
―これからも「IM-Spreadsheetで業務改善された」という声が伺えることを楽しみにしています。本日はありがとうございました。
取材協力:2019年3月
- グレープシティ株式会社は、2023年11月1日よりメシウス株式会社に社名を変更しました
(2024/06/04追記)
本件に関する、メシウス株式会社と株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマートの対談インタビュー記事が公開されました。詳しくは以下の記事をご覧ください。
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート
所在地 | 〒107-0052 東京都港区赤坂四丁目15番1号 赤坂ガーデンシティ5階 |
---|---|
設立 | 2000年2月22日 |
事業内容 | ・パッケージソフトウェア「intra-mart」の販売 ・上記に付帯するシステム開発、保守、教育及び運用 ・イントラネット/エクストラネットに関するコンサルティング ・その他付帯する事業(パッケージに付随する機器販売等) |
URL | https://www.intra-mart.jp/ |
ご紹介した事例内容をPDF形式でご覧いただけます。