設計部品表と製造部品表を包括した複雑な『統合部品表』の表示にFlexGridが貢献
大興電子通信株式会社
製造、流通・サービス、医療といった多岐に渡るビジネスの現場から最先端の宇宙探査まで、独自のICTソリューションで企業の課題を解決している大興電子通信株式会社。「お客さま第一」を掲げる同社では、お客さまの抱える課題解決のために業種・業務に特化した製品の開発を行っている。独自のパッケージ製品のうち、個別受注型生産管理システム『rBOM GP』に、当社製品『ComponentOne』を導入いただいた。ソートや行列の入れ替えを行えるグリッド、直感的な操作が可能なレポートデザイナなどのコントロールを使用したことで、開発工数が削減され、生産性を向上させることができたという。
開発概要
開発案件 | 使用製品 | 主な利用機能 |
---|---|---|
「rBOM GP」 | ComponentOne | FlexGrid、Reports |
開発の背景とrBOMの特長
多品種少量の製造を行っている企業は、受注後に設計し製造する個別受注型生産という生産形態が多い。当時、生産管理システムは量産型が主流であり、個別受注型生産にフィットした生産管理システムのパッケージ化は画期的であった。開発のきっかけについて、大興電子通信の田村孝氏はこう話す。
田村様
rBOMの前身は、当社の新潟支店が半導体製造装置業のお客さま向けに作った生産管理システムです。そのノウハウを基に、2001年にrBOMとして製品化しました。改良を重ね、2014年4月には多言語、多通貨、クラウド対応などのグローバル化を意識したrBOM GPという新バージョンを発売しました。
rBOMの最大の特徴は、設計部品表と製造部品表を包括した『統合部品表』。一般的な製造業の生産管理システムは製造部品表のみで、設計部品表は別システムで管理という場合がほとんどだという。
一方、個別受注型生産では、受注前後や納期直前での設計変更が頻繁に行われるため、この2つの部品表を一元管理することで以下のメリットが得られる。
- 製造途中の設計変更に柔軟に対応できる
- 設計部品表と製造部品表をシームレスに連携することで作業漏れを防止できる
- 設計部品表の完成を待たずに発注・社内加工指示の手配ができる(納期短縮)
また、個別受注型生産では受注に基づいたモノづくりを行うため、rBOMは販売や在庫管理システムも一体となっている。この複雑かつ特殊な業種のシステムを開発するにあたり、ComponentOneを導入した理由は何だったのだろうか?
ComponentOne導入のポイント
グローバル対応を意識したrBOM GPの開発には、開発言語としてVisual Basicを選択した。生産性の向上を目的として、コンポーネント製品を利用することはシステム設計時点で決定していた。他社製品と比較検討したところ、以下のポイントを実現できることがComponentOne導入の決め手となった。
- 画面の拡大/縮小
- 登録情報の一覧表示および、一覧項目の並べ替え、表示/非表示
- ExcelやCSV形式でのインポートおよびエクスポート
- 入出力項目のコピー
- 圧倒的な操作性の実現
- グラフなどのグラフィカルな表現
服部様
rBOM GPはバージョンアップ製品のため、システムの要件はほぼ決まっていました。ComponentOneは、柔軟なカスタマイズ性や品質の面で非常に安心感がありましたので、システムのコア部分にあたる開発フレームワークに採用することができました。
このように大興電子通信の服部泰隆氏は振り返る。rBOMに含まれる『設計管理』、『生産管理』、『販売管理』、『在庫管理』といったどの部門においても、登録情報の一覧表示などは必須要件のため、グリッドやレポート機能のカスタマイズ性は最重要ポイントであった。システム設計を含め、開発にかかった期間は1年ほどだったという。
ComponentOneが貢献できたポイントと利用コントロール
具体的にシステムに利用したコントロールや、ComponentOneが開発に貢献できた点について、大興電子通信の橋本啓氏に挙げていただいた。
多彩な表現力と柔軟性を兼ね備えるグリッドコンポーネント“FlexGrid”
ソートや行列の入れ替え等の基本的な動作はもちろんのこと、システムの最大の特徴でもある「部品」の親子関係をFlexGridのツリー表示で容易に表現することができた。また、親子単位でドラッグ&ドロップによる行移動をすることもでき、グリッド上で直観的に履歴データを再利用する機能も提供している。
デザイン性の高さと作成効率を両立する帳票コンポーネント“Reports”
直感的なレポートデザイナ(C1ReportDesigner)を活用すれば、簡単に帳票レイアウトの作成とデータの流し込みをすることができるので、注文書や制作指示書の作成における生産性に大きく貢献している。
橋本様
rBOMにはExcelやCSV形式でグリッド上のデータを出力できる機能を搭載しており、この部分はFlexGridのメソッドを呼び出すだけで実現することができました。ComponentOneは組み込みやすさ、定義のしやすさ、そして安定感が魅力です。1からプログラムを組むのではなく、コンポーネント1つで済むので、その部分では大変楽になっています。
さらに橋本氏はこう続けてくれた。
橋本様
レポートデザイナは直感的なため使いやすく、とっつきやすいので良いですね。
今後に向けて
幅広い業務に対応でき、装置業をはじめ、住宅、造船、養鶏場の製造まで、さまざまな業種に導入実績があるrBOM。最新バージョンのrBOM GPは、今後も原価管理、営業支援、債権債務管理といった、さらに複雑な業務要件に対応できる拡張機能を提供していく予定だという。
服部様
現在開発を進めている新機能の部分にもComponentOneのコントロールを使用しています。今後はWindows 10対応といった課題も出てくると思いますが、ComponentOneはいつでも最新版を使用できますし、テクニカルサポートも利用するつもりなので、そのあたりの心配はしていないですね。
ComponentOneでは、パフォーマンスや品質の向上はもちろんのこと、サポート面でも同社の開発に貢献できるよう努めていきたい。
取材協力:2015年6月
- グレープシティ株式会社は、2023年11月1日よりメシウス株式会社に社名を変更しました
大興電子通信株式会社
所在地 | 〒162-8565 東京都新宿区揚場町2番1号 軽子坂MNビル |
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設立 | 1953年12月 |
事業内容 | 中堅の製造業、流通業やサービス業を中心とした約20,000社のお客さまに、システムの構想段階から、ICT資源の調達、ソフトウェアの開発、ネットワークの構築やセキュリティ対策の実装、保守・運用に至るまでをワンストップで提供するシステムインテグレータ。 |
URL | http://www.daikodenshi.jp/ |
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